【PTL2022 日本人唯一のチームの記録】DAY1

大会スタートは、いつも以上に緊張せずに迎えられた。スタートしながら、スマホで動画を撮る余裕もあった。

長い長いコースの最初は、BreventというMont blanc を眺められる絶好のハイキングコース。ただし、そこにたどり着くまでには、1,500mも登る必要がある。この山頂までChamonixの街からゴンドラがあるのだが、その下にある山道を延々と登ることになる。
幸いにもそれほど気温は高くなく、周囲に合わせてゆっくり登っていけば、体力も消耗せず、汗もそれほどかかなかった。
1時間半ぐらい登り続けると、標高1,000mほどのゴンドラの山頂駅に到着。そこからさらに500mほど登って、見晴らしのよい頂上に到達。ここからの眺めは本当に素晴らしく、遠くスイスの平野や山塊までも見渡すことができる。

山の上にある湖 lac du Breven や Mont blanc を見ながらハイキング気分で下りに入る。ここには、以前も来たことがあったが、いつ見ても Mont blanc の眺めは素晴らしい。


山を下りLes Houchesという村に到着。ここは、Tour du Mont Blanc というハイキングコースのスタート地点となっているちょっとした村である。大会側の予想タイムは、ここまでで7時間15分。我々は、それより早い6時間ぐらいで到達。順位も中間ぐらいだったと思う。ここで、水を補給して15分ぐらい休憩。今から思えば、ここでの休憩はもっと少なくても良かったと思う。

ここから、長い長い上り坂となる。ここからは、PTL2019と同じコースで完全に覚えていた。昼過ぎなので、気温も高くなり、日差しも強い。山中の道をどんどん登っていくと、登山電車の線路脇に出る。ここから、ガレ場と道を500mぐらい登る。僕は、ここからとても苦しくなり、スピードがかなり遅くなった。体内の塩分濃度が下がると動けなくなることを知っていたいので、事前にたくさんの塩分を採ったのだが、それでも足が動かなくなったということは、高山病か?今まで、ほとんど高山病になったことがないので、珍しい。何度もチームメイトに休憩をお願いして、なんとか山頂へ。山頂付近は危なく、ヘルメット着用が義務付けられている。最後は、はしごを登って大パノラマを眺めることができた。

今度は、逆に岩場を一気に下るコースとなる。ここまでは、僕のスピードダウンがあり、いくつものチームに抜かれたけど、順調なペースで来ている。下りは、足を炒める可能性があるので、注意して進む。氷河の脇を降りて、先程の登山電車の終着駅に到着。水を購入しようとしたが、すでに売店はしまっており、何も買えなかった。そこから更に下り、草原を抜け、氷河下端にある吊橋を渡り、ゆるくて広い沢に入り、今度はそこを登っていく。最後は、col de Tricot という鞍部を抜ける。ここまで、明るいうちに通過したかったが、予定通りに通過。

コルを抜けると、非常に歩きにくいコンタリングの道を進み、次のチェックポイントの Refuge de plan Glacer を目指す。名前の通り、氷河の上にあり、氷河眺めるための山小屋だろう。昼に来ると眺めが良いに違いないが深夜では何も見えない。夜になり暗くなったこともあり、なかなか進めず苦労する。遠くにも点々とヘッドライトの明かりが連なり、それがさらに距離の長さを感じさせる。山小屋につく最後の数百mは、ヘルメット着用を義務付けられた。おそらく、落石が多いからだと思われる。途中で、「もう少しで山小屋だぞ。スープとケーキが食べられるお!」と励まされる。PTLでは、このように選手同士励まし合って旅をすることがよくある。非常に辛い旅なので、こういういうふうに声をかけられると大きな励ましとなる。やっとの思いで山小屋に到着。山小屋は、思ったよりずっと小さく、避難小屋のような雰囲気だった。アルプスの山小屋は立派なところが多く、どこかのリゾートホテルかと思わせるようなところもある。この小さな山小屋でスープとケーキをもらい、少し休憩したあとで、次の目的地で、本日n最終ポイントであるLes Contamines を目指す。

Les Contamines は、大会のメインレースであるUTMBでもエイドになっている場所で、ちょっとした大きさの村である。ここまでは、基本的にはずっと下り坂で、最後に少しだけ登り、村へ降りる。下り坂といっても、非常に歩きにくく、特に膝を傷めないように注意する必要がある。あまりスピードを上げずに、他チームに抜かれれても気にせずに進むことにした。下りながら上を眺めると、先程我々が通ってきた道にいくつものヘッドライトが見え、後続のチームが苦労しているのがわかる。この時点でも、我々のチームは、それほど遅くはなかったのだろう。深夜も3時近くになり、やっと目的のLes Contamines というチェックポイントについた。僕は、とにかく眠かったので、先に寝ることにした。普段からの睡眠不足が問題だったのか、とにかく眠くて仕方なかった。チームメイトの2人は遅い夕食を採ってから寝ることにするという。寝るために案内されたのは、簡易ベッドが並べられた体育館。なんと、寝られる時間は1時間で、1時間たつと起こされるという。たった1時間では、寝た気がしないと思うが。今までのPTLでは、少なくても3時間は寝かせてくれたのだが、今年からルールが変わったのだろうか?後からチームメイトに聞くと、ベッドの案内係がいなかったので、勝手に2時間以上も寝たという。文句を行っても仕方がないが。食事は、ミートソースの乗ったパスタにジュースだった。その他、フルーツやお菓子、パンが提供され、自由に採ってよかった。空腹も満たされ、元気にエイドを出発することができた。出発は関門時間の30分前で、思い返すと、この時点でもっと早く出る必要があったと思う。

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